00年代カルト映画⑨ ゴーストワールド Ghost World

 

 

ソーラ・バーチ(Thora Birch)という女優、太っていて顔も可愛くなくて…みたいな扱いをされてることも多かったのですが、私は彼女をスクリーンでまともに観たことがありませんでした。

たしかにムチムチした体型ですが顔は綺麗ですね。

そして何より、キャラクターが素敵です。

そんなソーラ・バーチと、今やハリウッドを代表する美人女優スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)が若い頃に友達同士を演じたのが、ダニエル・クロウズの漫画を映画化した『ゴーストワールド』(Ghost World)です。

 

“Ghost World” est un film décrivant un moratoire où la mode, la musique et l’intérieur sont tous kitsch et uniques.

 

“Ghost World” is a movie depicting a moratorium where fashion, music and interior are all kitsch and unique.

 



 

まず思ったのがファッションが良い。

特にソーラ・バーチのファッションがいちいちオシャレ、インテリアがキッチュでずっと観ていたくなる、音楽のチョイスが面白いということです。

そして、ジョークや台詞回しがなかなか滑稽です。

最初はあまり面白くない映画かと思ったのですが、ずっと観ているとシリアスな演技のところでもなんか笑っちゃう。

ジワジワくるような独特のものを持っています。

それになにより、ティーンから大人に脱出する年齢の灰汁が抜けきれない中途半端なもやもやした感覚を実に上手く捉えて描いています。

そこらへんの生ぬるいモラトリアム感がカルト映画的と言えるでしょう。

 

高校生の頃からちょっとひねくれていて二人だけの世界で常に行動している女子イーニッドとレベッカが、卒業し、通常ならば新しい次の世界に飛び込んでいくはずなのですが、着々と将来設計を進めていくレベッカに比べ、イーニッドはいつまでも大人になりきれずフラフラしているという状態が、リアリティと非日常っぽさを半々に織り交ぜた感じで描かれていきます。

高校を卒業したばかりということだったら18~19歳くらいになるのでしょうか。

まだティーン特有のひねくれた考え方や刹那的な楽しみ方が体から抜けていない時期なのだと思います。

スカヨハ演じるレベッカは普通の子で、就職に向けて淡々と突き進んでいくのですが、ソーラ・バーチ演じるイーニッドの方は外見からしてちょっと尖ったままで、平凡な人生を打ち壊したい欲望が滲み出ています。

イーニッドはレコード店に勤める歳の離れたシーモアに異様に執着するのですが、常に何か刺激を求めて10代のモラトリアムを延長させたいように見えます。

そんな空虚な自分探しの過程で流れる音楽は、この映画のイーニッドのファッションやインテリアと同じようにとても独特な魅力のある範囲の広い選曲になっています。

 

オープニングでいきなり軽快で洒落た音楽と映像が流れます。

それに合わせてイーニッドが踊り狂っているのですが、この歌はインドの歌手

モハメド・ラフィ(Mohammed Rafi)

“Jaan Pehechaan Ho”です。

映像は「Gumnaam」というインドの映画(ボリウッド)のワンシーンのようです。

 

アメリカのデルタブルースシンガー、

スキップ・ジェイムズ(Skip James)

「デヴィル・ガット・マイ・ウーマン」(Devil Got My Woman)

 

カリプソのピアニスト、

ライオネル・ベラスコ (Lionel Belasco)

「ミランダ」(Miranda)

 

イーニッドが髪の毛をグリーンに染めているシーンでは、70年代末に活躍したイギリスのパンクロックバンドである

バズコックス(Buzzcocks)

「ホワット・ドゥ・アイ・ゲット?」(What Do I Get)

 

 

グリーンの髪色が違和感なくはまるなんていいですね~。

ビリー・アイリッシュしかり。

 

 

米ソウルの名夫婦コンビ、

アシュフォード&シンプソン(Ashford & Simpson)

「ソリッド」(Solid-Special Club Mix)

 

イーニッドが部屋で静かに荷物整理をするときにさりげなくかけるのが、50~60年代に活躍していたアメリカのデュオ、

ペイシェンス&プルーデンス(Patience & Prudence )

「微笑とリボン」(A Smile And A Ribbon)

 

 

古き良き曲がちょこちょこと上手く使われていますね~。

 

 

「ゴーストワールド」のテーマ曲です。(Theme from ghost world )

 

一見、若者のダラダラモラトリアムを描いた退屈そうな映画に思えますが、何回も観たくなる映画です。

 


 

 

ゴーストワールド   GHOST WORLD

2001年 アメリカ 111分

監督 テリー・ツワイゴフ

キャスト

ソーラ・バーチ(イーニッド)、スカーレット・ヨハンソン(レベッカ)、スティーヴ・ブシェミ(シーモア)、ブラッド・レンフロ(ジョシュ)、イリアナ・ダグラス(ロベルタ)、ステイシー・トラヴィス(ダナ)、ボブ・バラバン(イーニッドの父)

 

内容(あらすじ)

アメリカの田舎町に住む、人並みであることを極端に嫌うイーニッドと親友レベッカは高校を卒業し、共同生活をする計画を立てるが、レベッカがコーヒーショップに就職した一方でイーニッドは進路すら決まらない。ある日二人はいたずらで新聞の出会い欄を通じてレコードコレクターの中年男シーモアを呼び出し、からかっては笑い転げるが、イーニッドは彼にシンパシーを感じ徐々に親しくなっていく。