00年代カルト映画③ ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [hedwigs] 愛の起源

 

 

 

2002年、リアルタイムで映画館で観ようと思っていたのですが、結局観そびれてしまった個性的なロックミュージカル映画ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(Hedwig and the Angry Inch)を紹介します。

 

Le thème de “Hedwig and the Angry Inch”, “The Origin Of Love”est un chef-d’œuvre.

 

The theme of “Hedwig and the Angry Inch”, “The Origin Of Love”is a famous song.

 



 

その後DVDで一度観たのですが、挿入歌愛の起源」(The Origin Of Love)の迫力に毎度やられています。

2000年前後はこういった煌びやかなテイストの音楽映画がよく出ていました。

監督と同時にヘドウィグ役を務めたジョン・キャメロン・ミッチェル(John Cameron Mitchell)はとても細く綺麗なスタイルで、実際ゲイクラブでヘドウィグという名前を使用していたというほど徹底的に煌びやかなヘドウィグを実地で演じています。

 

衣装やメイクやセットも細部まで鮮やかな個性を放っているところがとても評価できます。

ベルベット・ゴールドマインに似てるかも。

今、こんなオシャレで凝った映画あんまり見ませんね。

2001年の作品だからまだ若干90年代テイストを引きずっているところも魅力です。

 

この映画で流れる曲はすべてオリジナルサウンドトラックとなっていますが、合間にロックの名曲が挟まれることがあります。

ヘドウィグがルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」(Walk on the Wild Side)を口ずさんだり、窓からホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」を歌う女性が登場したりします。

他にもアレサ(フランクリン)や(オノ)ヨーコ等、様々なアーティストの名前が出ます。

 

この「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は、元々ジョン・キャメロン・ミッチェルと作曲家スティーブン・トラスク(Stephen Trask )がイメージを膨らませ舞台化したものです。

日本でも、何度か上演されており、三上博史、山本耕史、森山未來、浦井健治などがヘドウィグを演じています。

そういやこないだ『令和にそよぐ風』という万葉集をモチーフにしたミュージカルを観たのですが、山本耕史が「愛の起源」を英語で突然歌いだすという演出があったのです。

なぜヘドウィグの曲を?と思ったのですが、そういうことでしたか。

万葉集の話なのに平安貴族の格好で英語のロックを歌うのですから混乱しましたけど、全体的に山本耕史のコンサートみたいなノリもありましたから納得です。

 

映画の「愛の起源」のシーンではアニメーションが使用されたりとこれまた凝った演出をしているのが印象的です。

この曲は古代ギリシャの哲学者プラトンの著作「饗宴」をベースにしています。

その中でアリストパネスという詩人が語ったギリシャ神話がモチーフになっているということです。

なんだか知的で奥深い感じがしてきますねぇ。

一筋縄では理解できない曲という印象を受けました。

 

 

 

東ドイツ生まれのヘドウィグは、性転換手術に失敗し、結婚や恋愛にも失敗しまくるのですが、負けずに全米を巡業していきます。

そんな個性的なドラァグクイーンのストーリーですが、哀しさだけではなく、何ともいえないポジティブな情熱と独特のユーモアを感じさせる話でもあります。

 

 

初っ端から流れるのは“Tear Me Down”

 

 

 

この作品のテーマソング『愛の起源』“The Origin Of Love”

 

 

 

ヘドウィグがパブで歌うのは“Sugar Daddy”

 

 

 

性転換手術を失敗されたヘドウィグの怒りの歌“Angry Inch”

 

 

 

もうひとつのテーマソングと言っていい“Wig In A Box”

 

 

 

ヘドウィグがアジア系の女性たちとパフォーマンスする“Wicked Little Town”

 

 

 

ヘドウィグがまたまた怒りをぶつけて歌う“Hedwig’s Lament”

カツラやドレスを脱いでしまいます。

 

 

 

ヘドウィグが女装しないで歌う“Midnight Radio”

 

 

この作品を観たのは二回目になりますが、女になりきれないままドラァグクイーンとして生きる苦悩や、ヘドウィグの歌う歌詞の深さなど、観る度に新鮮みを感じます。

ヘドウィグはロックスターとしては成功するのですが、その題材そのものとタイトル、恋愛がギリギリで結ばれない中途半端さなどがカルト映画的要素を醸し出しているなあと思います。

 


 

 

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ   HEDWIG AND THE ANGRY INCH

2001年 アメリカ 92分

監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル

キャスト

ジョン・キャメロン・ミッチェル(ヘドウィグ)、マイケル・ピット(トミー・ノーシス)、ミリアム・ショア(イツハク)、スティーブン・トラスク(スキシプ)、アンドレア・マーティン(フィリス・スタイン)

内容(あらすじ)

東ドイツに生まれた少年ハンセルは、アメリカでロックスターになることを夢見ていた。アメリカ兵と結婚するために性転換手術を受けたが失敗し、股間に「怒りの1インチ」が残された。ヘドウィグに名前を変えた後もアメリカ兵には捨てられ、偶然出会った17歳のトミーに愛情を注ぎ込むのだったが・・・