冬時間のパリ📖 ✒Non-Fiction

 

 

フランスの映画監督オリヴィエ・アサイヤス(Olivier Assayas)の新作冬時間のパリを観ました。

 

“Non-Fiction” est un film français qui progresse principalement dans la conversation avec peu de musique, tout comme “La vérité”.

 

“Non-Fiction” is a French movie that progresses mainly in conversation with little music, just like “La vérité”.



 

オリヴィエ・アサイヤスって1997年の『イルマ・ヴェップ』(IRMA VEP)の監督なんですね。

『イルマ・ヴェップ』って香港の女優マギー・チャン(Maggie Cheung)が怪盗の格好をしているスパイ風な映画で、一度観たことがあります。

イルマ・ヴェップのイルマが埼玉の入間と被るのでやけに脳内にこびりついているタイトルなのです。

そんな有名なアサイヤス監督の映画なのですが邦題がダッ★セーー🙄と思いました。

なんだ冬時間のパリって…というより原題の“ノンフィクション”と開きがありすぎて。

もうひとつ今Bunkamuraで上映されている『パリの恋人たち』っていう映画の邦題もどっかで聞いたことある感じで原題“L’Homme fidèle”からかけ離れていますし、どっちもパリってつけとけばいいみたいな安直さが見え見えです。

もっとなんとかならないのかなーと思いましたが、自分で考えてみても無理でした。

『グッバイ・ゴダール!』のルイ・ガレル監督ですしこっちも観てみたいんですけどね。

 

『冬時間のパリ』はヒロインがジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)で、最近是枝監督の『真実』(La vérité)で見たばかりなんですけど、予告編でも出てきたのでここんとこ出ずっぱりですね。

まるでカトリーヌ・ドヌーヴがダウンしたから代わりに彼女が活躍し始めているかのような印象です。

その『真実』も音楽がほぼなかったのですが今回の映画も劇中に音楽はなし、エンディングだけ妙に軽快なラテン風の曲が流れたのみでした。

ひたすら会話で進んでいく典型的なフランス映画といって良いでしょう。

電子書籍が台頭していく中、トップ編集者とその妻とベストセラー作家らの不倫模様を交えつつ虚構と現実のギャップをシビアに描いていきます。

全体にロマンティックな物語ではなく等身大のフランスの社会を描いている印象で、台詞や撮り方にリアリティがありました。

ジュリエット・ビノシュが出ていて、しかも会話×会話で進んでいる映画であるところが『真実』と被って見える要因でしょうか。

『真実』を観た直後、音楽ネタもないため何も書く気がしなかったのですが今回まとめてタイトルを出したくなりました。

ジュリエット・ビノシュは『ポンヌフの恋人』(Les Amants du Pont-Neuf)での演技が最高で有名ですが、ロングヘアよりショートの方が似合う人ですね。

ヨハンシュトラウスの「美しき青きドナウ」に合わせて踊るシーンは有名で、独特の寂しげな美しさを感じる映画です。

パリのダークな美しさも感じられるかな。

なにぶん、1990年前後のパリですけど…

 

 

電子書籍ってたしかに便利なのですが、紙の本の方にこだわる人は一生こだわりそうですし、音楽もデジタル化されて便利ですがアナログレコードやCDの魅力もまだまだあると感じます。

フランス語の会話が続いて構成されている映画でちょっとついて行くのが難しいところもありましたが俳優陣の魅力は充分感じられました。

フランス語に興味があり、会話を理解したい人や、音楽よりも静かにセリフの掛け合いのみで楽しみたい人にはこういった映画はおすすめです。

 

P.S

予告編で出た、50歳の女性が24歳になりすましSNSの罠にはまっていくストーリーでジュリエット・ビノシュ主演の『私の知らない私の素顔』(Celle que vous croyez)は面白そうで絶対観たいなーと思いました。

 


 

 

冬時間のパリ   DOUBLES VIES/NON-FICTION/DOUBLE LIVES

2018年 フランス 107分

監督 オリヴィエ・アサイヤス

キャスト

ジュリエット・ビノシュ(セレナ)、ギヨーム・カネ(アラン)、ヴァンサン・マケーニュ(レオナール)、クリスタ・テレ(ロール)

内容(あらすじ)

電子書籍の台頭で乗り遅れないようにと焦っている編集者アランは、作家のレオナールから不倫をテーマにした新作について相談を受ける。アランはレオナールの作風を古いと思っているが妻のセレナは高く評価している。実はアランはアシスタントと不倫しており、レオナールはセレナと不倫していた。